昔むかし、あるところに
一匹の小さなうさぎが暮らしていました。
そのうさぎは、こげ茶色の土のような頑固な毛と、
赤い大きな瞳を持っていました。
うさぎは、自然あふれる土地が好きでした。
月や星空を見るのが好きで、夜になるのを心待ちにしていました。
山が好きでした。
桃の花があたり一面に広がる頃には、とてもうきうきして、宙返りを2回ほどしてしまうみたいでした。
遠くの明かりをながめるのも好きでした。
山の上の大きな観覧車に、いつも手をふっていました。
昔のお話を聞くことや、おいしい郷土料理を食べることも楽しみのひとつでした。
うさぎの趣味は、自家菜園です。
紺色の作務衣に身を包み、旬の色あざやかなお野菜を、
お気に入りのだんだん畑で育てていました。
トマトが染まる頃には、じぶんもほっぺたを赤くして、満足そうに口笛を吹いていました。
がたんごとん、と鉄道の響きとともに時は過ぎ、
そんなうさぎもいつのまにかいなくなってしまいました‥。
うさぎの過ごしていた、ため池のほとりにはいまも
なつかしくて、豊かな情景が、
まるで、汐の満ち引きのようにしずかにゆらいでいる
みたいでした…。
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ひとつひとつの文章のなかに、周辺要素を散りばめて見ました。
暗喩をさがしてもらえれば、さいわいです。。
(しかし自分は、こんなにも真剣になにを考えているのだろう…。)
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