師走を迎え、
凍えるような風が吹くと、
“北風小僧の寒太郎”
もとい、
『風野又三郎』が、
頭をよぎる‥。
賢治の代表作の一つである
「風の又三郎」の初期項である
『風野又三郎』。
有名な「風の又三郎」が、
人間なのに対し、
『風野又三郎』は、
風の精霊である。
(古来より日本では、北風は
‘悪霊を運ぶもの’と畏れられていた。)
人間世界をすりぬけていく、
あいまいなきれいごとを好まない、
悪戯好きな、無情な風の精。
お前たちはだめだねえ。なぜ人のことをうらやましがるんだい。
僕だってつらいことはいくらもあるんだい。
お前たちにもいいことはたくさんあるんだい。
僕は自分のことは一向も考えもしないで、
他の人を馬鹿にしているやつらを一番いやなんだぜ。
僕たちの方ではね、
自分を外のものとくらべることが
一番はずかしいことになっているんだ。
僕たちはみんな、一人一人なんだよ。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも、吹きとばせ
すっぱいかりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう
風と子供たちは、みな踊る。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ゆきのふる夜は 楽しいペチカ
ペチカ燃えろよ おはなししましょ
むかしむかしよ 燃えろよペチカ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
上記解説
宮沢賢治は、一つの作品に対し、何回も推敲を重ね、
完成に近い表現を模索する、
または、賢治が熱心に信仰した仏教(法華経)の表現では、
法(真理)に近づけた形にする、作家。
銀河鉄道の夜も結末の違う話が、何編も存在している。
田中智学に師事していた頃、教職についていた頃の物語が上記含め多数。
0 件のコメント:
コメントを投稿