
序論
……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……
おれたちはみな農民である。ずいぶん忙しく仕事もつらい。
もっと明るく生き生きと生活をする道を見つけたい。
我らの古い師父たちの中にはさういう人も応々あった。
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直感の一致に於いて論じたい。
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない。
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する。
この方向は古い聖者の踏みまた教えた道ではないか。
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある。
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことにある。
われらは世界のまことの幸福を索ねよう。
求道すでに道である。
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宮沢賢治は、世界全体を幸福にするために、
芸術、宗教、音楽、詩、多様な要素を駆使して、
農村からの文化、人間の復興を目指し、
『羅須地人協会』を設立した。
理想は2年で頓挫したが、
その思想は、現代でも色あせることはない。
既成概念にとらわれない、抽象度の高い発想で、
自分の道を真っ直ぐ進む。
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